【予防歯科とは?】定期検診は何ヶ月ごと?虫歯・歯周病を繰り返さないた
「歯医者の定期検診は何ヶ月ごとに行けばいい?」
「痛くないのに歯医者へ行く必要はある?」
「毎日歯磨きをしているのに、また虫歯になってしまった」
「定期的にクリーニングしているのに歯周病が進んだ」
このような疑問をお持ちではありませんか?
歯科における「予防」というと、3ヶ月に1回程度、歯科医院で歯石を取ったりクリーニングを受けたりすることをイメージされる方が多いかもしれません。
しかし、本来の予防歯科はそれだけではありません。
大切なのは、「悪くなったら治療する」を繰り返すのではなく、なぜ虫歯や歯周病になったのかを考え、その原因やリスクを継続的に管理することです。
U デンタルオフィス恵比寿では、虫歯・歯周病だけでなく、過去に治療した詰め物や被せ物、噛み合わせ、セルフケアなども含めて口腔内を評価し、できるだけ再治療を減らすことを重視しています。
今回は、予防歯科とは何をするのか、定期検診は何ヶ月ごとがよいのか、PMTCや歯石除去だけでは十分ではない理由について解説します。
予防歯科とは?
予防歯科とは、虫歯や歯周病などが発症・進行する前に、そのリスクを把握して管理していく考え方です。
もちろん、歯石除去やクリーニングもその一部です。
しかし、本当に重要なのは、
- 虫歯ができていないか
- 歯周病が進行していないか
- 過去の詰め物・被せ物に問題がないか
- 歯と歯の間を適切に清掃できているか
- 食生活に虫歯リスクがないか
- フッ化物を適切に使用できているか
- 特定の歯に過度な力がかかっていないか
- 以前治療した病気が再発していないか
などを継続的に確認することです。
つまり、
予防=歯をきれいにすること
ではなく、
予防=病気になる原因・リスクを把握して管理すること
と考える方が実態に近いと思います。
なぜ「痛くなってから歯医者」では遅いことがあるのか?
歯科疾患には、自覚症状が乏しいまま進行するものがあります。
代表的なのが、虫歯と歯周病です。
虫歯は痛くなくても進行することがある
初期の虫歯では、ほとんど症状がないことがあります。
虫歯が象牙質の深部まで進行したり、歯髄に近づいたりすると、冷たいものがしみる、痛みが出るなどの症状が現れることがあります。
さらに進行すると、根管治療が必要になる場合があります。
一方、早い段階で発見できれば、病変によっては削らずに管理できる場合があります。
修復が必要な場合でも、病変が小さい段階であれば、健康な歯質をより多く残せる可能性があります。
歯周病は「静かに進む」ことがある
歯周病も、初期から強い痛みが出るとは限りません。
歯ぐきから血が出る、少し腫れるといった症状があっても、日常生活に大きな支障がないため、そのままにしてしまう方もいます。
しかし、歯周炎が進行すると、歯を支える歯槽骨が失われていきます。
重度になると、
「歯がグラグラする」
「噛みにくい」
「歯ぐきから膿が出る」
といった症状が現れることがあります。
失われた歯周組織を完全に元の状態へ戻すことは容易ではありません。
だからこそ、症状が強くなる前に状態を確認することが重要です。
定期検診は何ヶ月ごとに行けばいい?
「歯医者の定期検診は3ヶ月ごと」
と聞いたことがある方も多いと思います。
しかし、すべての患者さんに3ヶ月という間隔が適しているわけではありません。
適切な間隔は、その方のリスクによって異なります。
虫歯リスクが高い方
過去に虫歯治療を何度も受けている方、歯と歯の間に虫歯ができやすい方、食生活などにリスクがある方では、比較的短い間隔で確認した方がよい場合があります。
歯周病治療を受けた方
中等度・重度の歯周病治療を受けた方では、治療後の安定した状態を維持するため、継続的な歯周管理が重要になります。
歯周ポケット、出血、プラーク、歯の動揺などを確認しながら、その方に合った間隔を決めます。
虫歯・歯周病リスクが低い方
口腔内が安定していて、セルフケアも良好な方では、必ずしも短い間隔で通院する必要がない場合もあります。
つまり、
「3ヶ月経ったからクリーニングする」のではなく、なぜその間隔で確認する必要があるのかを考えることが大切です。
定期検診では何をする?
定期検診は、単なる歯のクリーニングではありません。
U デンタルオフィス恵比寿では、患者さんの状態に応じて必要な項目を確認します。
① 虫歯のチェック
歯の表面だけでなく、歯と歯の間や過去に治療した修復物の周囲なども確認します。
必要に応じて画像検査などを行います。
② 歯周病のチェック
歯周ポケット、歯肉からの出血、プラーク、歯の動揺などを確認します。
重要なのは、単に「歯石がついているか」ではありません。
以前と比較して歯周病が進行していないかを評価することです。
③ 詰め物・被せ物のチェック
一度治療した歯も、永久に問題が起こらないわけではありません。
修復物の破折・脱離、周囲の虫歯などがないかを確認します。
④ 噛み合わせ・歯の摩耗・クラックの確認
歯ぎしりや食いしばりなどによって、歯が摩耗したり、亀裂が生じたりすることがあります。
必要に応じて、噛み合わせや歯の状態も確認します。
⑤ セルフケアの確認
「磨いている」と「磨けている」は同じではありません。
患者さんによって、磨き残しが起こりやすい場所は異なります。
歯ブラシだけでなく、必要に応じてフロスや歯間ブラシなどの使用方法も確認します。
⑥ 必要に応じた歯石・バイオフィルムの除去
患者さん自身では除去しにくい歯石やバイオフィルムなどに対して、必要な処置を行います。
ただし、ここでも目的は単に「歯をきれいにすること」ではありません。
疾患の再発・進行につながるリスクを減らすことが目的です。
PMTCを受けていれば虫歯・歯周病にならない?



PMTCなどのプロフェッショナルケアは、口腔内の清掃状態を改善するための一つの方法です。
しかし、
定期的にPMTCを受けていれば、虫歯や歯周病にならないわけではありません。
歯科医院で口腔内をきれいにしても、その後の日常生活では再びプラークが形成されます。
そのため、予防の中心になるのは毎日のセルフケアです。
さらに虫歯の場合には、
- 糖質を摂取する頻度
- フッ化物の使用
- 唾液
- 過去の虫歯経験
- 修復物の状態
なども関係します。
歯周病では、
- プラークコントロール
- 喫煙
- 糖尿病などの全身状態
- 過去の歯周病の進行度
- メインテナンスの継続
なども重要になります。
つまり、
歯科医院でのクリーニングだけに予防を任せるのではなく、自宅でのセルフケアと歯科医院でのリスク管理を組み合わせることが重要です。
虫歯を繰り返す方は「治療」だけで終わらせない
「昔から虫歯が多い」
「治療したところが、また虫歯になる」
という方では、虫歯を削って詰めるだけでは、同じことを繰り返してしまう可能性があります。
例えば、歯と歯の間に虫歯を繰り返している方であれば、
「また虫歯ができたから治療する」
だけではなく、
なぜ同じ場所に虫歯ができたのか
を考える必要があります。
フロスを使用できているか。
フッ化物配合歯磨剤を適切に使用しているか。
間食や糖分を含む飲み物を摂取する頻度が高くないか。
過去の修復物に清掃しにくい部分がないか。
このように原因を一つずつ確認していくことが、次の虫歯を減らすことにつながります。
「虫歯になったら削る」を繰り返さないことが大切
天然歯は、一度削ると元に戻りません。
虫歯を治療して詰め物をしても、その修復物を一生交換しなくてよいとは限りません。
将来、虫歯や破折などによって再治療が必要になれば、さらに歯質を失う場合があります。
そのため、
できるだけ最初の虫歯を作らない。
虫歯ができても、可能であれば早い段階で管理する。
治療が必要な場合には、健康な歯質をできるだけ残す。
治療した後は、同じ問題を繰り返さないよう管理する。
この流れが重要です。
予防歯科は、単に虫歯を見つけるためのものではありません。
生涯にわたる再治療の回数をできるだけ減らし、自分の歯を残していくための考え方でもあります。
歯周病は治療後のメインテナンスが重要
歯周病は、歯石を一度除去すれば終了する病気ではありません。
特に中等度から重度の歯周炎を経験した方では、治療後の継続的な管理が重要です。
治療によって歯周病が安定した後も、
- 歯周ポケット
- 出血
- プラーク
- 歯の動揺
- 根分岐部
- 清掃状態
などを確認します。
必要に応じて、SPT(歯周病安定期治療)などによって状態を管理します。
歯周病治療では「治療して終わり」ではなく、「安定した状態をどう維持するか」までが治療の一部です。
セラミック・インプラント・根管治療後にも定期検診は必要?
必要です。
むしろ、大きな治療を受けた歯ほど、治療後の状態を継続して確認することが重要です。
セラミック治療後
セラミック自体は虫歯になりません。
しかし、セラミックと天然歯の境界部分には虫歯が生じる可能性があります。
また、噛み合わせや歯ぎしりなどによって、修復物や天然歯に負担が加わる場合があります。
根管治療後
根管治療を行った歯でも、再び感染が起こる可能性があります。
また、残っている歯質が少ない歯では、破折にも注意が必要です。
インプラント治療後
インプラントは虫歯にはなりません。
しかし、インプラント周囲の組織に炎症が生じることがあります。
そのため、天然歯と同様に、あるいは症例によってはそれ以上に、治療後の清掃と継続的な管理が重要です。
当院が考える「予防」とは
U デンタルオフィス恵比寿では、
「何も問題がない人だけが受けるもの」が予防だとは考えていません。
虫歯を何度も繰り返してきた方。
重度の歯周病を治療した方。
根管治療によって歯を残した方。
セラミック治療を受けた方。
インプラント治療を受けた方。
大きな治療を経験した方ほど、治療後の管理には意味があります。
せっかく時間と費用をかけて治療したのであれば、できるだけ再治療を減らし、長く維持していく。
そのために必要なのが予防・メインテナンスです。
「予防」と「早期治療」は同じではありません
予防歯科について考える際に、もう一つ重要なことがあります。
それは、
「早く虫歯を見つけて、早く削ること」が予防ではない
ということです。
初期の虫歯では、病変の状態によっては削らずに管理できる場合があります。
逆に、治療が必要な虫歯を長期間放置すれば、病変が大きくなる可能性があります。
重要なのは、
早く見つけて、早く診断すること。
そのうえで、
削るべきものは必要な範囲で治療し、削らずに管理できるものは経過を確認すること。
これが、健康な歯質をできるだけ残すために重要だと考えています。
予防歯科は「何をしてもらうか」だけではありません
予防というと、
「どんなクリーニングをしてくれるのか」
「どんな機械を使うのか」
に注目しがちです。
しかし、重要なのはそれだけではありません。
患者さんによって、虫歯や歯周病のリスクは異なります。
だからこそ、
何を使うかではなく、何を診て、何をリスクと判断し、どう管理するか。
そこまで含めて予防歯科だと考えています。
よくある質問
Q1. 歯医者の定期検診は3ヶ月ごとがいいですか?
すべての方に3ヶ月が適しているわけではありません。
虫歯や歯周病のリスク、過去の治療歴、セルフケアの状態などによって適切な間隔は異なります。
Q2. 虫歯がなくても歯医者に行った方がいいですか?
症状がない段階でも、虫歯や歯周病が進行していることがあります。
また、過去の修復物や噛み合わせなどを確認する意味でも、リスクに応じた定期的なチェックには意味があります。
Q3. 毎日しっかり歯磨きしていれば定期検診はいりませんか?
セルフケアが良好でも、自分では確認できない歯と歯の間の虫歯や歯周組織の変化、修復物の状態などがあります。
ただし、必要な受診間隔は患者さんによって異なります。
Q4. クリーニングだけ受けることはできますか?
口腔内の状態によって必要な処置は異なります。
単にクリーニングだけを行うのではなく、まず虫歯や歯周病などの状態を確認することが重要です。
Q5. PMTCを受ければ虫歯になりませんか?
PMTCを受けても、虫歯を完全に防げるわけではありません。
日常のセルフケア、フッ化物の使用、食生活などを含めたリスク管理が重要です。
Q6. 歯石は自分で取れますか?
硬く付着した歯石を自分で安全かつ適切に除去することは困難です。
無理に器具などを使用すると、歯や歯肉を傷つける可能性があります。
Q7. 歯周病治療が終われば定期検診は不要ですか?
歯周病は治療後の継続的な管理が重要です。
特に中等度・重度の歯周炎を経験した方では、再発や進行を確認するためのSPT・メインテナンスが重要になります。
Q8. 子どもと大人では予防方法が違いますか?
年齢、歯の状態、虫歯リスクなどによって適切な予防方法は異なります。
フッ化物の使用方法なども年齢に応じて検討します。
恵比寿で予防歯科・定期検診をお考えの方へ
「痛くなったら歯医者へ行く」
という考え方では、病気が進行してから治療を開始することになります。
一方で、
「3ヶ月ごとに歯石を取れば大丈夫」
というものでもありません。
本当に重要なのは、ご自身の口腔内で、
何がリスクなのか。
以前と比べて何が変化しているのか。
どうすれば再治療を減らせるのか。
を継続して確認することです。
U デンタルオフィス恵比寿では、虫歯や歯周病だけでなく、過去に治療した歯、修復物、噛み合わせなども含め、口腔内全体を確認することを大切にしています。
治療が必要になってから大きく削るのではなく、できるだけ問題が小さい段階で発見する。
治療が必要なければ、削らずに管理する。
治療した歯は、できるだけ再治療にならないよう管理する。
「治すために通う歯科医院」から、「自分の歯を守るために通う歯科医院」へ。
これが、当院の考える予防歯科です。
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この記事の監修
U デンタルオフィス恵比寿
歯科医師 生野 誠
2014年 九州歯科大学卒業
慶應義塾大学病院 歯科・口腔外科にて研修
日本口腔外科学会 認定医
虫歯治療、精密根管治療、歯周治療、審美補綴、インプラント治療、矯正治療などを含め、治療した歯を再治療にしないための診断と治療設計を重視しています。
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