虫歯治療

虫歯とは

虫歯とは

口腔内細菌が歯に侵入して起こる
歯性感染症です。
歯科領域においての一番の対象疾患であり、歯を失う最初の疾患でもあります。

虫歯が進行する2つの要因

①酸による進行

口腔内細菌が食事をした後に残った糖を代謝し、酸を産生し歯の表面のエナメル質が溶かされることによって感染が始まります。

②力による進行

噛み合わせの状態や食いしばりや歯軋り等の悪習癖である力によって、マイクロクラックと呼ばれるヒビ(亀裂)が入り、
そこから口腔内細菌が侵入します。
実際は、この2つの要因が相まって歯の再石灰化能力を超えたときに虫歯は進行していきます。
初期段階のうちは特に大きな症状はないため、それに気づかず放置されてしまうと、エナメル質の下の象牙質という層まで進行し、その後は神経まで虫歯の菌が感染を起こしていきます。

歯を守るために(Safe the teeth)

①MI治療

現在の虫歯治療に対す考え方であるMI(Minimal Intervention)治療は、2002年FDI(国際歯科連盟)において提唱されており、以下5項目が採択されています。

  1. 口腔内細菌叢の改善
  2. 患者教育
  3. エナメル質及び象牙質の
    非う窩性病変の再石灰化
  4. う窩性病変への最小の外科的介入
  5. 不良修復物の修理

つまり、歯を守るためには治療だけではなく、虫歯という感染症にならないための環境づくりも含めて重要になってくるということです。
当院では、衛生士含めチームで患者様の歯を守るためのサポートをさせていただきますので、ご気軽にご相談ください。

②二次感染を防ぐ

歯科医院で歯科治療を受けたのに数年後に、違う歯科医院で同じ歯に「虫歯ができていますね」と言われた経験はありませんか?おそらく多くの方はそういったご経験が少なからずあるかと思います。

虫歯の再治療を行うと、通常同じ歯を5回再治療すれば歯の傷が大きくなり、その歯は抜かなければならなくなるといわれています(Sheiham,1994)。
つまり、歯の破壊の初期段階である虫歯の時にどのような治療を受けるかがその後の歯の運命を決めてしまうということです。

こんな時は二次う蝕(再発むし歯)かもしれません

二次う蝕(再発むし歯)かもしれません

 

『冷たいものや温かいものがしみる。』
治療した歯でも再度、虫歯になることを知っていただき、冷たいものや温かいものがしみるなどの症状が出た時には、早めに受診しレントゲン写真などでチェックすることをおすすめします。

歯と詰め物の境目にできることが圧倒的に多いので、フロス(糸ようじ)を行ったときに引っかかったり、切れることがないかをチェックします。もし引っかかったり、切れるようなことがあれば、虫歯の再発の可能性が高いので、当院までお越しください。

ダイレクト
ボンディング 〜再感染させない精密な虫歯治療〜

ダイレクトボンディング

Direct compositerestoration
  =できるだけ削らず綺麗な歯を手に入れるダイレクトボンディング=

歯の隙間や、虫歯などで歯を失った部分にコンポジットレジンと呼ばれる材料を、直接詰めて光で硬化させる治療法をダイレクトボンディングといいます。

ダイレクトボンディングは、虫歯になってしまった箇所をピンポイントで削るため、歯を削る量を最小限に抑えて低侵襲な治療ができます。また、金属を一切使用しないため、金属アレルギーの方も安心して治療を受けていただけます。

ダイレクトボンディングが
適している方

  • 前歯の隙間や形が気になる(すきっ歯、ブラックトライアングル)
  • 詰め物、被せ物が変色している
  • 自然な色や形の詰め物で治療したい
  • なるべく歯を残す治療をしたい
  • 治療の回数を少なく済ませたい

※虫歯大きさによってはダイレクトボンディングが
適さない場合もあります。気になっている方は一度ご相談ください。

保険で使用されているレジンと
ダイレクトボンディングで
使用されるレジンの比較

保険診療で使用されるレジン ダイレクトボンディングで使用されるレジン
  • CR(コンポジットレジン)と呼ばれるプラスチックの材料
  • 審美性が劣る
  • 強度が弱く欠けやすい
  • 吸水性があるので変色しやすい
  • レジンにセラミックの粒子が混ざっているハイブリッドセラミックと呼ばれる材料
  • 天然歯のような審美回復ができる
  • 強度があがるので欠けにくい(オールセラミックスよりは劣る)
  • 変色しにくい
保険診療で使用されるレジン
  • CR(コンポジットレジン)と呼ばれるプラスチックの材料
  • 審美性が劣る
  • 強度が弱く欠けやすい
  • 吸水性があるので変色しやすい
ダイレクトボンディングで使用されるレジン
  • レジンにセラミックの粒子が混ざっているハイブリッドセラミックと呼ばれる材料
  • 天然歯のような審美回復ができる
  • 強度があがるので欠けにくい(オールセラミックスよりは劣る)
  • 変色しにくい

当院における
ダイレクトボンディングの
トリートメントエッセンス

  1. 拡大視野で歯を削る量を
    最小限に抑える
    (Minimal Intervention)

    虫歯は1回の治療で健全な歯をどれだけ残せるかが、歯の延命に本当に大切なことです。
    1本の歯における虫歯治療の回数は限られていますが、必要以上に大きく削れば削る程、その歯の治療できる回数も減り、耐久性も低下し、結果抜歯に繋がりやすくなってしまうこともあります
    (抜髄、感染根管治療、
    歯根破折を引き起こしやすくなる)。

    保険治療では時間の制限や効率性を重視するあまり、歯の削りすぎやオーバートリートメントになる傾向があります。
    当院ではマイクロスコープ、拡大鏡を使用し、十分な時間をかけることで歯の切削量を必要最低限に抑える工夫を行っております。

  2. ラバーダム防湿下における
    接着にこだわった修復

    虫歯治療で最も大切なことは虫歯除去面を再汚染させないことです。
    歯にプラーク(歯垢)が付いたままであったり、口腔内の雑菌が含まれている唾液を制御しないまま虫歯を除去しても、除去した先から歯面は汚れてしまいます。
    物を接着するとき、接着面がタンパクで汚れていたり、濡れていては上手く接着することは困難ですし、そのような修復物に信用はおけません。

    当院ではラバーダム防湿下(ゴムのマスク)で唾液をコントロールし、徹底的に歯面を清掃した上で虫歯治療を行っております。
    また、使用している接着剤は歯の強度を担保する象牙質とエナメル質の接着強度に近似したものを使用し、接着力の向上に努めております。
    ※ラバーダムが困難な場合はそれに準じた防湿処置を行います。

  3. 天然歯の形態、色を模倣した審美回復

    数種類のレジンを組み合わせて築盛していきますので、歯の色に合わせて天然歯のような自然な仕上がりにすることができます。色が合わせにくい難しいケースは術前にお伝えしています。
    前歯に関してはシェードテイキングを行うことがあります。
    銀歯が気になるという方に最適な治療です。

  4. 院回数が少なく、原則即日での治療

    虫歯を削った部分は即日で詰め物をします。
    ※神経に到達するような大きい虫歯で歯髄保護でMTAセメントを使用した場合は例外です。

  5. 補修修理が可能

    例えば、歯質の裏打ちがないようなケース(金属修復時にスライスカットという手法で削ってある歯)では、詰めたあと、まれに欠けてしまうことがありますが、ダイレクトボンディングの場合は補修修理をすることができます。
    これもダイレクトボンディングの良いところで、欠けた部分の補修のみで済むことがほとんどです。
    改めて削り直すということはせずにほとんどのケースで元の状態に戻すことができます。

  6. 高品質なレジン
    (ハイブリッドセラミック)を使用

    セラミックの粒子が混じっている高品質なレジンを使用しております。
    現在はヨーロッパ産のEssentia、国産のエステライトアステリア、など高品質なコンポジットレジンを使用しています。

ダイレクトボンディングの欠点

  1. 治療時間が長い

    マイクロスコープ下で歯への低侵襲(健全歯質保存と虫歯の除去の徹底)、コンポジットレジンの特性を最大限に引き出せるような治療術式で行いますので、治療時間は1時間以上になってしまうことが多々あります。

  2. 残存歯質によっては不適応

    治療する歯の残存歯質による咬合接触が全くない歯(例えば大きく全体を金属などでかぶせてある歯)や残存歯質による咬合維持が難しい歯(残存歯質の厚みが薄い)は、不適応です。他にリスクがある場合はその説明も必ず行います。
    この辺りはわかりにくい内容ですので、初回にご説明のお時間(特に咬合診査は念入りに行います)を頂いて、適応かどうかご説明させて頂いています。

  3. 経年着色

    数年すると着色してくることがあります(個人差による)。
    その際、再研磨させて頂くことがあります。

  4. 残っている歯質量が少ないと適応にならない

    残っている歯質量が少ないと適応にならないことがあります。
    また、虫歯がかなり進行している場合は、適応とならない可能性があります。

VPT
Vital Pulp Therapy
歯髄温存療法、生活歯髄切断法

VPT

神経を残す治療

痛みがなくても深い虫歯がある場合、歯髄(神経)まで感染が及んでいることがあります。
一般的には虫歯の治療時に露髄(神経が露わになる)した場合、神経の治療を行います。

では、神経を失うと歯にはどのような変化が起こるのでしょうか?

神経を失うことによるデメリット

  1. 神経、血管が通わなくなるため、感覚の低下が起こる
  2. 神経を取る時に内部の歯質を削り、汚れを取らざるを得ないため、歯の厚みが減り強度が下がり、ヒビや破折の原因になる
  3. 歯髄を失うことで、虫歯などによる痛みを感じにくくなるため、その後の虫歯に気づきにくくなる
  4. 歯に免疫機能がなくなるため、虫歯の菌に対して抵抗力が下がる

歯には2つの感覚があります。
1つは噛み合せた時に、硬いものなのか、柔らかいものなのかなどを感じる歯根膜由来の触覚です。
もう1つは熱いものか、冷たいものかなどを痛みによって感じる歯髄由来の痛覚です。
この2つによって咬合力などの力に対して歯を守る働きがあります。

つまり歯髄を失うと、力に対する感覚が弱くなり、歯髄のあった時に比べると、 2倍近くの力をかけて同じというに感じると言われています。
そのため、本来より強い力が歯にかかり、歯のヒビや破折(割れること)につながってしまうのです。

大きな虫歯がある時点で必ず歯髄(神経)が守れる訳ではありませんが、当院では上記の理由より可能な限り神経の温存を試みております。

VPTとは

日本語でバイタルパルプセラピーと呼ばれ、"歯髄温存療法"や"生活歯髄切断法"などと呼ばれている治療法です。

近年、バイオセラミックセメントと呼ばれるMTAセメントが普及したことにより、今まで神経を取らなくてはならないと言われるような深い虫歯でもVPTをすることで温存することが可能になりました。

※MTAセメントとは

[Mineral Trioxide Aggregate]の略で、歯科用コンクリートセメントのようなものになります。
強いアルカリ成分が殺菌効果に働き、治療時に粘性だったセメントが24時間経過するとコンクリートのように固まります。
強アルカリ(PH:12.5)の為、細菌に対しての殺菌効果も期待できます。
※乾燥すると中性となり為害作用がなく、生体親和性の高く身体に安心安全な材料です。

・神経の治療をした時の充填剤
・歯に穴が空いてしまった時のリペア剤
・神経を残すための保護剤

などとして他の治療でもよく扱われているセメントです。(VPTが適している方)

成功率は50~80%(Ranly DM,et al,J Dent.2000)で、適応症には以下の2つがあります。

  1. 外傷による破折で
    歯髄にまで達する場合
  2. 冷水痛はあるが自発痛がない可逆性歯髄炎までの虫歯

当院におけるVPTの
トリートメントエッセンス

  1. 精密な診査・診断

    十分な痛みの問診を行い適応症かの判断をさせていただきます。
    特に自発痛といい、何もしまくてもズキズキ痛んだり、夜の方が痛みが強かったりする場合は不可逆性歯髄炎の可能性があり、適応症でない場合があります。

    また、電気歯髄診(写真載せる)で生活歯髄反応があるかどうかやX線写真にてどこの部位が痛みの原因になっているか、根尖部まで炎症が及んでないかなどを診査させていただきます。

  2. ラバーダム防湿下での処置

    虫歯治療中に神経が露出した場合、神経の処置を判断する理由の一つにラバーダム防湿下で行なっていないということが挙げられます。
    唾液の中には多くの雑菌が含まれ、本来絶対に触れることのない神経に触れてしまった時点でこの処置の成功率は著しく下がってしまします。
    また、ラバーダム防湿下でなくては止血・消毒に使う強い薬が使えず、歯肉からの滲出液も防げないのでVPT後の封鎖も不完全になってしまいます。

    歯を守るためには虫歯治療の段階でいかに精度の高い治療ができるかがポイントですし、そのためには少し染みるという理由ですぐ歯を削るのではなく十分な診査・診断を行いコンセンサスを得てラバーダムをかけることが大切です。

  3. マイクロスコープ下での
    虫歯識別・歯髄鑑別

    虫歯の原因菌である「ミュータンス菌」は1μmで直径3~4μmの象牙細管内に入り込んでいき、歯に以下のような層を形成し進行ていきます。

では、どこまで虫歯を除去するればいいのかというと、現在は細菌感染があり再石灰化不可能で知覚がないう蝕象牙質外層(先駆菌層まで)と考えられています。
しかし、厳密に削っていい虫歯を見分けるのは難しく、総山孝雄ら(注1)によると経験年数15年の歯科医師でさえ、虫歯を13%取り残すというレポートがあります。
この13%を可能な限り0%に持っていくために、当院では削って良い虫歯を的確に識別できる精度の高い検知液(1%アシッドレッドのプロピレングリコール溶液)を用い、マイクロスコープによる拡大視野で正確に虫歯除去を行なっています。

またマイクロスコープ下であれば、肉眼では確認しずらい露髄の見落とし防ぐことができ、歯髄の状態も観察することができるため神経をどのレベルまで残すかの判断が可能です。

(注1:ウ蝕検知液の新組成について/総山孝雄/高津寿夫/伊藤和雄/山内淳一/柴谷亭一郎/日歯保存誌 22, 261-264, 1979)
(注2:「う蝕治療ガイドライン 2015」特定非営利活動法人日本歯科保存学会)

精密根管治療

精密根管治療

精密根管治療とは

虫歯の治療でも記してあるとおり、進行した虫歯が神経に感染を引き起こすと歯髄は自然治癒することなく壊死していまします。
感染のピークを過ぎると痛み自体は治ることがありますが、そのまま放置していると感染は歯を伝って顎骨に波及していきます。

こうなると厳重に守られている身体のバリアは破られ、体内に細菌の侵入を許すこととなり血管を通して各器官に広がり様々な疾患(糖尿病、動脈硬化、心臓の冠動脈疾患、脳卒中、早産・低体重児出産)を助長させることとなります。

根管治療とはその感染経路の特に虫歯の感染から始まったものに対して、
経路の遮断、再感染の防止を行う治療です。

従来の根管治療の不成功率
なぜ、精密にしなければならないのか?

神経が入っている根管は髪の毛ぐらいの太さであり、その中の感染物質を除去するわけですか肉眼ではとても見えません。
また、根管治療中は体内と交通している状態であり、繊細な処置が必要です。

実際に2011須田の論文ですが2005年9月~2006年12月まで東京医科歯科大学むし歯外来に受診された患者様の過去に根管治療をしている歯をレントゲン検査したデータですが、50~74%の根管治療歯に病変を認めています。
つまり日本の根管治療の成功率は26~50%ということになり、従来の方法では感染を制御するのが難しいということです。

精密根管治療が必要なケース

  • 抜歯と言われた歯を残したい
  • 痛くなった歯が高い被せ物をした歯なのではずしたくない
  • 神経を抜いたので二度と悪くならないようにしたい
  • 何度も治療を繰り返したくない
  • 歯肉が腫れるのを治したい
  • 疲れた時に歯が痛くなるのを治したい

精密根管治療の
トリートメントエッセンス

1.ラバーダム防湿

ラバーダム

ラバーダムと言って、ゴムのマスクを装着し治療する歯のみを隔離し、唾液や浸出液などの細菌が入らない、器具の誤飲などを防ぐためにおこなわれています。

(細菌に汚染されないためにお口の中に小さな手術室を設置するイメージで、医科でも開腹手術をするときに皮膚の常在菌が体内に入り込まないようにドレープ(青い布)をかけるのと一緒です)

新しい機器・材料に精通することは、歯内療法を志す者にとって必要ある。しかし、同時に我々歯科医師は、歯内療法の基盤となる事項を忘れてはならない、ややもすれば、我々は容易に万能薬やスーパーテクニックを求めがちであるが、まず歯内療法の基本的事項を尊守すべきである。たとえば、無菌的処置原則を守らない根管拡大・形成は単に感染経路を拡大しているに過ぎないと言っても過言ではない。

東京医科歯科大 須田先生
「我が国における歯内療法の現状と課題」
序文より抜粋

上記のように根管治療の成功において原理・原則は非常に大切と言えます。

ラバーダムを使用するメリット
  1. 唾液による感染を防御

    ラバーダム防湿をしないと治療をしている側から唾液がついてしまい再感染をする原因になります。唾液中には、虫歯菌や歯周病菌が大量に含まれているためです。

  2. 治療部位の消毒がしっかり行える

    唾液がつかない状態で、治療部位自体の歯の表面を消毒します。
    ラバーダム防湿をせずに強い薬剤を使ってしまうと歯から漏れた時に、薬剤の刺激により舌や粘膜をやけどさせてしまったり、強い痛みを発生させてしまう場合があります。
    そのためラバーダム防湿を行うことでそのような事態を防ぐことが可能です。

  3. 水が苦手な方でも
    安心して治療を受けられる

    歯科治療時の水が苦痛だという患者様は意外と多くいらっしゃいます。
    ラバーダム防湿を行なっているときは、水もラバーダムの上に溜まるため、水が直接流れてくることはありません。

2.マイクロスコープ、
CT(歯科用コーンビームCT)

歯科用コーンビームCT

根管治療の精度を上げるためには、見えるようにすることが大切です。
例えば、ベッドの下などの暗い狭いところを綺麗に掃除しようと思うと、ライトをかざしてどこに汚れがあるか、図面を見てどんな空間になっているかを把握すると思います。

根管治療も一緒で上から湾曲した細い管を掃除していくので、明るく大きく見える方がいいですし、図面は2次元より3次元の方がわかりやすいです。
そこで必要なのがマイクロスコープとCTになります。

マイクロスコープのメリット

20倍まで拡大でき、明るい視野を確保することができます。
拡大視野と視力は別物で、分解能といって、2点を2点だと認識できる肉眼の限界が200ミクロンと言われています。
歯科治療に要求されるスケールは数十ミクロンです。そこで歯科治療では最低4倍以上の拡大ツールが必要になってくるのです。

見えないものは診断も曖昧になりますし、的確な処置もできません。
見えることによって『経験と勘の治療』の治療から脱却し、長期予後にもにつながっていきます。

当院で使用しているZUMAX3200はペントロン社のフラッグシップモデルで、現在歯科で用いられているマイクロスコープの中でも高い評価を受けております。

CTのメリット

KAVO(ドイツ製)社のCTを採用しており、エックス線の照射時間と撮影領域を必要最小限に抑えた、被ばく線量の少ない安全なCT撮影が可能です。
また、3次元の高精細な立体画像を得られることから、2次元画像では確認できなかった炎症の範囲や歯根の形態などを精密に把握することができます。

3.NiTi(ニッケルチタン)ファイル

根管治療ではファイルという神経の入ってた根管を綺麗にする針金のような器具を使用します。イメージとしては細長いグラスなどを洗う取手付きのブラシのようなものです。
従来はステンレススチール製のファイルを使うことがほとんどで、まっすぐな根管ならまだいいのですが、硬く追従性がないため、

・器具が当たらないところは感染源である細菌の除去が困難である
・根管形態が複雑な場合は器具の到達が難しい
・まっすぐに形になりやすく、本来の形を壊してしまいかえって治療を困難にしてしまう

などという欠点があげられます。
以上の問題を改善するため、当院ではHyFlexTM EDMというニッケルチタンファイルを使用しております。

ニッケルチタンファイルとは

歯科医療の進歩は金属加工技術の向上と共に歩んできた歴史があり、根管治療においてもニッケルチタンという金属を利用したファイルによって根管治療の成功率が上がった経緯があります。
HyFlexTM EDMは室温でオーステナイト ( 鉄のγ鉄に炭素や合金元素などの他の元素が固溶したもの ) から マルテンサイトへ、結晶構造を変化させたユニークな技術をもった NiTi ファイルです。

HyFlexTM EDMの特徴
  • オリジナルの根管の形を保ちつつ拡大、形成できる
  • 切削効率がよく時間がかからないため、患者様への負担も少ない
  • 根管内で硬さが変化するので弯曲した根管にも対応が可能

4.根管洗浄

神経・血管は歯根のなかで、植物の根のように主根がありその周りに側枝があります。
器具でアプローチ出来るのは、主根のみで、湾曲していたり、分岐しているとどうしても器具が届かないところが出てきます。
ニッケルチタンファイルを使用したとしても約4割程度は残ってしまうと言われています。

では残ってしまうところはどうするかというと強い消毒液で溶かして行くということになります。
つまり、器具による清掃(機械的清掃)と消毒薬での溶解(化学的清掃)によって根管内の起炎菌を除去していきます。
当院では効率よく化学的清掃を行うため、専用の器具による超音波振動で汚れを浮き出させかつ、隅々まで薬液が浸透するようにしております。
また使用する薬剤の濃度、温度、時間にこだわり、効果的な根管洗浄を行なっております。

5.MTAセメント

MTAセメントの登場により、今までは抜歯と判断された歯にも保存という選択肢ができました。

MTAセメントの特徴
  • 分子量が象牙細管(根管の壁面)より小さく入り込んでくれ、
    かつ水分がある状況下で硬化膨張してくれるので隙間なく封鎖してくれる
  • 根管内の細菌の殺菌作用がある
  • 体に優しいので根の中に穴があいてしまっていたり、
    根管治療で根の先が壊れてしまっても治癒させる効果(組織誘導能)がある
  • 薄くなった歯を固くする作用があるため、歯が割れにくくなる

根っこの治療をしたけど膿が治らない、歯に穴が開いてしまっているから抜歯と言われた方でも
歯を残せる可能性がありますので、ご気軽にご相談ください。

6.歯根端切除術、意図的再植、
自家歯牙移植

外科的歯内療法(歯根端切除術、意図的再植)は、根管治療などの歯の中からアプローチする保存療法では
感染源を除去できない場合に、外から直接病巣にアプローチする方法で、歯を残すための最後の手段でもあります。

外科的歯内療法が適用のケース
  • 根尖3mm部分には側枝といわれる毛細血管が発達しており、この部分に感染が広がり根管治療のみで
    制御することが困難な場合
    (参考文献:Modern Endodontic Surgery Concepts and Practice A Review JOE July 2006 Syngcuk Kim, DDS, PhD,MD & Samuel Kratcbman, DMD)
  • 根尖孔の外に感染が広がり、根管内からのアプローチが困難な場合
  • 外すことが出来ない補綴物があり、再根管治療が困難な場合

外科的歯内療法の
トリートメントエッセンス

外科的歯内療法の特徴

  1. 傷跡が残りずらく、
    侵襲の少ない切開線の設定

    CTにて正確に病巣を把握し、歯周組織を考慮した最小限の切開にて手術を行いますので、術後の腫れ、出血を可能な限り抑えることが出来ます。場合によって再生療法を併用し、失った骨や組織の回復を図ります。

  2. マイクロスコープ下での精密処置

    顎骨の中にある根尖部は非常に小さく暗いため肉眼では大まかに病巣を取ることしかできません。
    当院ではマイクロスコープ下の明視野で専用のミラーを用いますので、正確に切除断端が確認でき、染色液にて側枝や病巣の取り残しがないように処置することが出来ます。

  3. 健全な歯根膜組織を利用した
    意図的再植

    歯根端切除術が困難な大臼歯(奥歯)や審美性の考慮が必要な部位に対しては、意図的再植を行う場合があります。
    歯根膜を傷つけないように、歯を折らないように抜歯をしなければならないデメリットはありますが、口腔外の整った環境で処置ができるため、根尖孔外プラークや亀裂の確認、MTAの適切な操作など確実な処置が可能であり、戻す位置を調整することで上部の歯冠修復に有利な状況にも出来ます。

自家歯牙移植、矯正的歯牙誘導

当院では、ドナーとなる歯や親知らずがある場合は抜歯やインプラントの前に歯牙移植、矯正的歯牙誘導を検討いたします。

自家歯牙移植は歴史のある選択肢です

1950~60年代より、齲蝕(うしょく/虫歯のこと)におかされた第一大臼歯の抜歯窩に根未完成歯の智歯を移植したり、外傷により脱臼した歯牙の再植、意図的再植(難治性の根の病気を持つ歯を一度抜歯し根に処置を施し再度同じ場所に埋め戻す)などがされはじめました。
当時は、科学的な背景はなく試行錯誤の歴史でしたが、1970年以降 組織学的、病理学的、生物学的な研究によって、 自家歯牙移植の生物学的原則および移植によって治るという科学的・理論的根拠が確立されました。

歯牙移植、矯正的歯牙誘導のメリット

天然歯は歯根膜からの豊富な血液循環や細菌に対する天然の防御機能を働かせることが可能なので、口内の環境によって柔軟に形や位置を変えながら生体の変化に追随します。
また、歯根膜は感覚圧受容器でもあります。食べ物の歯触りの感じ方が大きく違います。

感覚に個人差はありますが、繊細な食感や、歯触りを天然歯では楽しむことが可能です。
圧感覚閾値(感覚を感じる最小の力)は、ご自分の天然歯の場合、前歯で1~3g前後、臼歯で4~10g前後であり、同じく噛み合わせも天然歯同士の咬合では25μm(マイクロメートル)の厚みを感知できるます。

生存率(どれくらいもつか?)
5年生存率 インプラント95%
(Fugazzottoet al,2004)
自家歯牙移植90%
(Tsukiboshi M,2002)
10年生存率 インプラント90%前後
自家歯牙移植80%前後

自家歯牙移植、矯正的歯牙誘導の
トリートメントエッセンス

移植において最も大切なことは歯根膜を温存するということです。歯根膜の温存には2つのポイントがあります。

  1. 口腔外科認定医による歯根膜の
    温存を考慮した低侵襲な抜歯

    移植を行うときの最初の関門はドナーとなる歯をいかにいい状態でとってこれるかということです。
    当院では口腔外科の認定を受けた経験豊富な医師が担当しますので安心して手術を受けることが出来ます。

  2. 成功率に寄与する時間と適合

    ドナーとなる歯は抜歯してからレシピエントサイトに移植するまでの時間が短ければ短いほど成功率が上がります。
    よくある失敗として、抜歯してきたはいいけど、レシピエントとの適合がよくなく何度も抜歯窩を調整してタイムリミットを過ぎてしまう、もしくは理想的な位置に移植歯を固定できないということがあります。
    当院ではCTにより精密な計測を行い、必要に応じて矯正にてレシピエントサイトの調整やCTデータをもとに歯牙レプリカを作製しております。
    歯牙レプリカを使用することでドナーを何度も試適する必要がないので、ドナーの歯根膜を物理的にも、時間的にも傷つけずに済みますし、適切な形成ができるため、侵襲が少ないことはもちろん、抜歯窩の中の歯根膜様組織の侵襲も抑えられるため適合よく移植が行えるので治癒期間も短く出来ます。

自家歯牙移植の流れ

  1. 初回

    ・ 問診とカウンセリング
    ・ 口腔内診査、歯周組織精密検査、歯科用デンタルまたはパノラマレントゲン撮影、歯科用CT撮影
    ・ 簡単な噛み合わせの診査
    ・ 顔貌および口腔内写真撮影
    ・ ブラッシング指導・歯石除去・歯面清掃

    問診・カウンセリング
  2. 2回目(自家歯牙移植手術)

    手術時間:通常60~90分以内で終了します。
    ※鎮静麻酔の併用も行なっていますので、ご希望の方はご気軽にご相談ください。

    治療の様子
  3. 3~8回目(消毒と抜糸)

    手術より約2週間後、移植歯の感染根管治療(回数はあくまで目安)を行います。
    手術からおおよそ1~2ヵ月、噛み合わせを与えます。(但し状況に応じて期間は前後します。)
    手術から2~3ヵ月、問題なければ最終的な詰め物、被せ物をお入れします。

    消毒と抜糸
  4. 術後3~6ヵ月(再評価)

    術部の治癒の状態を検査し、メインテナンスを含めた今後の対応を検討致します。

    再評価

術後の注意事項

術後1~3日
  • 術後の疼痛 / 腫脹の管理(あくまで外科手術です。顔が大きく腫れる様なことは通常ありませんが2~3日腫張はあるとお考え下さい。)
  • 術後稀に内出血が顔に生じる場合がありますが、1週間程度で消退します。
  • 暫間固定の脱離、歯肉への圧入はないかを確認をします。
  • 縫合部の裂開はないか、食べカスが残っていないかを確認し清掃します。
術後1~2週 術後2週までは術部のブラッシングを控えて頂きます。
担当衛生士によりその間の口腔ケアの指導をさせていただきます。
術後2~4週 縫い合わせた歯肉が完全閉鎖するまで、術後2~4週の間は週に1度(可能ならばもう少し短期的に)のペースで術部の確認、歯肉縁上プラークのコントロール、プロフェッショナルクリングを行います。
術後1~6ヵ月 問題が無ければ月に一度のペースでチェックと清掃に来院して頂きます。
術後1~3日
  • 術後の疼痛 / 腫脹の管理(あくまで外科手術です。顔が大きく腫れる様なことは通常ありませんが2~3日腫張はあるとお考え下さい。)
  • 術後稀に内出血が顔に生じる場合がありますが、1週間程度で消退します
  • 暫間固定の脱離、歯肉への圧入はないかを確認をします
  • 縫合部の裂開はないか、食べカスが残っていないかを確認し清掃します
術後1~2週 術後2週までは術部のブラッシングを控えて頂きます。
担当衛生士によりその間の口腔ケアの指導をさせていただきます。
術後2~4週 縫い合わせた歯肉が完全閉鎖するまで、
術後2~4週の間は週に1度(可能ならばもう少し短期的に)のペースで術部の確認、歯肉縁上プラークのコントロール、プロフェッショナルクリングを行います。
術後1~6ヵ月 問題が無ければ月に一度のペースでチェックと清掃に来院して頂きます。

虫歯の再発の
主な原因について

  • 虫歯の取り残し
  • 詰め物と歯の間に隙間があいている
  • 装着時に歯垢、唾液、血液など異物の購入
  • 装着時に使用する接着剤が合着材である
お電話でご予約はこちら 03-6456-3222
24時間受付 web診療予約
⾼度なインプラント・⻭周病治療ならUデンタルオフィス恵比寿