【恵比寿|歯医者が怖くて歯がボロボロになった方へ】歯科恐怖症に配慮し、段階的に噛み合わせを再構築した症例
― 噛めない・見せられないお口から、自信を取り戻すまで ―
歯科恐怖症で長年治療に行けず、奥歯が残根になり前歯でしか噛めなかった患者さんの症例です。移植・精密根管治療・インプラント・矯正を組み合わせ、少しずつ噛み合わせと見た目を回復させました。恵比寿で総合的な治療をご希望の方へ。
はじめに:歯医者が怖くて、行けないまま時間が経ってしまった方へ
「歯医者が怖くて、何年も行けていない」
「どこから治療していいのか分からない」
そのようなお悩みを抱えたまま、鏡を見るたびに気分が落ち込んでしまう方は少なくありません。
今回ご紹介するのは、強い歯科恐怖症のために治療を先延ばしにせざるを得なかった患者さんのケースです。
奥歯はほとんどが残根となり、前歯だけで噛み込む「前咬み」の状態。噛み合わせもどんどん深くなり、ほとんど歯ぐきでご飯を食べているような状況でした。
一般的な歯科医院では「現状では入れ歯や被せ物を作ることが難しい」と言われ、
「高度な治療を行っている歯科医院に相談した方がいい」と紹介されて、U DENTAL OFFICE EBISUに来院されました。
初診時の状態
- 奥歯は重度の虫歯・根だけが残った歯が多い
- 前歯に大きな摩耗と虫歯
- 噛み合わせが深く、前歯でしか噛めない
- 見た目のコンプレックスから、人前で笑えない
- 歯科治療そのものに強い恐怖心がある
写真のように、初診時は歯の形が大きく崩れ、歯ぐきの炎症も強い状態でした。
「本当にここから治せるのか不安で仕方なかった」とおっしゃっていたのが印象的です。

まずは「歯科恐怖症」への配慮からスタート
このようなケースで大切なのは、いきなり大がかりな治療を始めることではなく、
患者さんのモチベーションと安心感を育てることだと考えています。
- カウンセリングの時間をしっかり確保
- その日の治療内容を事前に説明し、「今日はここまで」とゴールを共有
- 痛みに配慮した麻酔や、短時間で区切った治療
- できたことを一緒に確認しながら、少しずつ「治せる実感」を持っていただく
「ここなら最後まで頑張れそうです」と言っていただけた段階で、長期的な治療計画を一緒に立てていきました。
治療の流れ:移植・精密根管治療・インプラント・矯正の組み合わせ
今回のゴールは、
- しっかり噛める奥歯をつくる
- 前歯の見た目と噛み合わせを整える
- 将来を見据えて、できるだけ長く持つ口腔環境にする
という3点です。
1)残せる歯は「精密根管治療」で保存
マイクロスコープを用いて、根の中を拡大視野で確認しながら精密根管治療を行いました。
ギリギリまで残せる歯は丁寧に治療し、噛み合わせを支える支柱として活かしています。
2)残せない歯は「自家歯牙移植」やインプラントで補う
根の状態が悪く、どうしても残せない歯については、
- 親知らずを利用した歯の移植(自家歯牙移植)
- 骨の条件を整えたうえでのインプラント治療
を組み合わせ、奥歯の噛み合わせを再構築しました。
「できる限り自分の歯を活かしつつ、足りない部分はインプラントで補う」方針です。
3)噛み合わせと前歯のバランスを「矯正治療」で調整
奥歯の支えが整ってきたタイミングで、矯正治療も併用。
深くなり過ぎていた噛み合わせを少しずつ改善し、前歯に過度な負担が集中しないようにコントロールしていきました。

途中で起きた“想定外” ― 交通事故による前歯の破折
治療の途中、患者さんは不運にも交通事故に遭い、前歯をすべて破折してしまいました。
せっかくここまで頑張ってきた治療が一瞬で壊れてしまい、患者さんも私たちも大きなショックを受けました。
ただ、患者さんからは
「どうにか自分の歯を残せないか、先生と一緒に頑張りたい」
という強いご希望がありました。
リスクや限界を丁寧に共有したうえで、可能な限り保存を試みる方針を選択。
精密な処置と仮歯の調整を繰り返しながら、最終的な補綴へとつなげていきました。
治療後の変化:見た目だけでなく「表情」も変わる

治療後のお写真がこちらです。
- 前歯の形や色が自然になり、口元を気にせず笑えるようになった
- 奥歯でしっかり噛めるようになり、「歯ぐきで食べる」ことはなくなった
- 噛み合わせが安定したことで、長期的なトラブルリスクも軽減
何より印象的だったのは、患者さんの表情がどんどん明るくなっていったことです。
治療の途中でご就職が決まり、
「人前で話す機会が増えましたが、口元を気にせず笑えるのが本当に嬉しいです」
とお話ししてくださいました。
歯科医師として、ここまでの長い道のりをご一緒できたことは、私たちにとっても大きなやりがいでした。
歯科恐怖症・重度のむし歯でお悩みの方へ
この症例は、決して「特別な人だけのケース」ではありません。
- どこから治療を始めれば良いか分からない
- 他院で「抜歯しかない」「入れ歯しかない」と言われてしまった
- 歯医者が怖くて、長年受診できていない
そのような方でも、適切な診断と計画、そして少しずつ進めていく治療によって、
お口の状態と生活の質が大きく変わる可能性があります。
U DENTAL OFFICE EBISU では、
- マイクロスコープを用いた精密治療
- インプラント・歯の移植・矯正を組み合わせた包括的治療
- 歯科恐怖症の方への丁寧なカウンセリングと、痛みに配慮した治療
を行っています。
「怒られそう」「見せるのが恥ずかしい」と思っている方へ
歯医者に長期間行けなかった方の中には、
「ここまで放置して怒られるのではないか」
「口の中を見せるのが恥ずかしい」
「治療が多すぎて、どこから始めればいいか分からない」
と感じている方もいらっしゃいます。
しかし、最初からすべての治療を行う必要はありません。
まず現在の状態を確認し、残せる歯、治療が必要な歯、急いで対応すべき部分を整理することから始めます。
歯科治療に強い恐怖がある場合には、そのことも含めて治療計画を考えます。
U DENTAL OFFICE EBISUでは、治療内容だけでなく、患者さんが無理なく治療を続けられることも大切にしながら、必要に応じて精密根管治療、自家歯牙移植、インプラント、矯正などを組み合わせて治療計画を立てています。
よくある質問
Q. 歯医者が怖くて何年も行っていません。それでも診てもらえますか?
はい。まず現在の状態を確認し、必要な治療と優先順位を整理するところから始めます。歯科治療への恐怖が強い場合には、そのことも事前にお伝えください。
Q. 初診の日から大きな治療をしますか?
緊急性の高い処置が必要な場合を除き、必ずしも初診から大きな治療を行うわけではありません。検査・診断を行い、患者さんと治療方針を相談します。
Q. 歯がほとんど残っていなくても治療できますか?
治療できるかどうかは、残っている歯の本数だけでは判断できません。歯根、残存歯質、歯周組織、骨、噛み合わせなどを評価する必要があります。
Q. 悪い歯はすべてインプラントになりますか?
必ずしもそうではありません。保存可能な天然歯は治療を検討し、条件が合えば自家歯牙移植などを検討できる場合もあります。それらで対応が難しい欠損にインプラントを使用することがあります。
Q. 治療期間はどのくらいかかりますか?
必要な治療内容によって大きく異なります。根管治療、歯周治療、移植、インプラント、矯正などを組み合わせる場合には、一定の治療期間が必要になります。診断後に全体の治療計画とおおよその期間をご説明します。
この記事の監修
U DENTAL OFFICE EBISU
歯科医師 生野 誠
2014年 九州歯科大学卒業。
慶應義塾大学病院 歯科・口腔外科にて研修。
日本口腔外科学会 認定医。
精密根管治療、歯周治療、自家歯牙移植、インプラント、矯正、補綴治療など、複数の治療が必要な症例において、一本の歯だけではなく、残存歯・歯周組織・欠損・噛み合わせを含めた治療設計を重視しています。
参考文献
- Armfield JM, Heaton LJ.
Management of fear and anxiety in the dental clinic: a review.
Australian Dental Journal. 2013;58(4):390-407. - Smaïl-Faugeron V, Glenny AM, Courson F, et al.
Pulp treatment for extensive decay in primary teeth.
Cochrane Database of Systematic Reviews. 2018. - Chung WC, Tu YK, Lin YH, Lu HK.
Outcomes of autotransplanted teeth with complete root formation: a systematic review and meta-analysis.
Journal of Clinical Periodontology. 2014;41(4):412-423. - European Society of Endodontology.
Quality guidelines for endodontic treatment: consensus report of the European Society of Endodontology.
International Endodontic Journal. 2006;39(12):921-930.









